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花のやうな口がわかれを告げてゐて…(松平修文) @松平修文歌集(現代短歌文庫95)

花のやうな口がわかれを告げてゐて世界ぐらぐらするゆふまぐれ 
松平修文/『水村』S54

総崩れの間際にはある種の美しさがある―――
それは、残酷な気付きだろうか。

花のような口を持つ少女。
どれだけ美しかったのだろう。
赤く染まる唇、香しく、純粋で、無垢で、無邪気で…上句で、少女のイメージは広がっていく。

だけどそのような少女の口が別れを告げたとたん、世界のすべてがバランスを失って崩れだしていく。
つまり、花だけでかろうじて私は世界と繋がれていたということか…。

普通、別れの歌はつらく響く歌が多いのに、この歌はとてつもなく美しく心惹かれてやまない。
演劇のように見せる、めくるめく少女のイメージと「わたし」の崩壊劇。
それはやがて夕闇に紛れておしまいである。

下の句を読み終えると、めまいのようにぐらぐらとした感覚が読者にも残される。
少女はあるいはその「花のやうな口」で、私たち読者の感覚も危うく揺らしているのかもしれない。
 

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- 2 Comments

若草と白い雲  

初めまして…
一首鑑賞を読ませていただきとてもいい勉強になりました。
初句に花のようなと持ってきたところにまず魅かれますね。
私もこの現代短歌の鑑賞を購入してみます。
ありがとうございました。拍手します^^

2012/02/28 (Tue) 00:49 | REPLY |   

みかみ  

コメントありがとうございます

若草と白い雲さん、はじめまして!
松平さんのこの歌、私も一読してとても惹かれました。
幻想的なような、演劇的なような、とてもきれいな歌ですよね。
松平さんの歌は「現代短歌の鑑賞101」には入っておらず、なかなか歌を読める機会がなかったのですが、昨年「現代短歌文庫」が出て、読めるようになりました。
印象的な歌がたくさんあったのでまた取り上げたいとおもってます。

2012/03/01 (Thu) 01:22 | REPLY |   

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