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ダリアの蟻灰皿にたどりつくまでを…(寺山修司) @寺山修司全歌集

ダリアの蟻灰皿にたどりつくまでをうつくしき嘘まとめつついき 
寺山修司/『血と麦』S37

ダリアに棲む蟻は灰皿へ行くよりも、ダリアの中にいたままの方がきっと幸せである。
だけど、灰皿に向かうのだ。
まるで灰皿のほうにユートピアでもあるかのような、
うつくしくて、不完全な嘘に導かれて。

人間は合理的に考える脳と理性を持っている。
また本能も、生存の上では合理的に備わっているものだろう。
だけどまれに、そのどちらにも属さないような、不可解な、無意味な衝動に駆られることがある。
たとえば報われない不倫。
それこそ灰皿に向かうダリアの蟻のように。
これはいったい何だろう。

ダリアよりも美しい嘘。
けれど、まとめられた嘘の最後は灰の世界である。
おそらく、灰皿にたどり着くまでの過程が実は最も美しい世界なのだろう。

この歌は「真夏の死」一連の中の一首で、一連の初めにはこんな文章が添えられている。

 ささやかな罪を犯すことは強い感動を避ける一つの方法です。―――ラファイエット夫人

強い感動の果てを見透かしているような言い方である。
でも、果たしてそれを避けることはできるのだろうか。


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