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水銀灯ひとつひとつに一羽ずつ…(穂村弘) @現代短歌の鑑賞101

水銀灯ひとつひとつに一羽ずつ鳥が眠っている夜明け前 /穂村弘 『ドライ ドライ アイス』

短歌の読み方を学んだ印象的な一首。

しんとした雰囲気の夜明け前の空気に、かすかな鳥の眠りの息遣いが聞こえる。そんなひそやかな空気感を持った歌・・・最初はそう解釈していた。

けれど、馬場あき子さんが『歌の彩事記』の中で深い読みをされ、その認識はくつがえった。

この歌を、「秘めやかな静寂には、こわい推理劇が眠っている」ものと読んだのだ。
この歌の場所を「海近い街」として、鳥が特定されていないことを指摘する。
海近くなら、海の鳥は海で眠る。ならば、この鳥は「樹木に棲んでいるいる鳥たち」だろうという。
「人間が木を伐り、棲み家を奪った」結果、「街の鳥」となってしまったものたちの眠る場所・・・。

驚いた。でも、確かにそうなのだ。

最後に馬場あき子さんは歌全体に漂う「やさしい」感じや「終焉感」を、「夢から醒めない前の、夜明け前の風景」であるとし、それを「現代の風景」であると結ぶ。

三十一文字でここまで読み取る。
この鑑賞眼を見習いたい。


☆参考 (掲出歌の解釈が載っています)
歌の彩事記
馬場 あき子
4643961031



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