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血と雨にワイシャツ濡れている無援…(岸上大作) @現代短歌の鑑賞101

血と雨にワイシャツ濡れている無援ひとりへの愛うつくしくする 
岸上大作/『意志表示』S36

安保闘争をわたしは知らない。
けれどその答えを知っている。
だからだろうか、私は岸上大作の歌を読むときに少し距離をおきたくなってしまう。
あるいは、うつくしい解釈をしすぎている「ひとりへの愛」のひたむきさにたじろいでしまう。

青春期、安保闘争にすべてをかけ、失恋で自死した歌人。
 
のちの高度経済成長、一億総中流を知った人は、社会のあり方に別の答えがあることを知っただろうし、
失恋のあとにまた新しい恋があることも知っただろう。

ここで死ぬ必要はなかったのではないか。
そう考えずにはいられない。

その見える立ち位置が怖いのだ。

後出しじゃんけん。
岸上大作の生きた過去を見て、今生きる私たちが評価をする。

だけど、私たちはどれくらいものが見えているというのだろう。
見えているのではなく、岸上大作の生きた時代のひたむきさを、妥協や中庸にすり替えて、生き延びているだけかもしれない。
そう考えると落ち着かない。

そしてまた、私たちは未来の誰かにどんな風に評価される時代を生きているのだろうか。
未来から見れば、いつだって今は拙いものなのだ。


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- 2 Comments

なりひら  

全共闘世代

私は第二次安保闘争の世代で、高校時代からよくヘルメットをかぶり、頬かむりをしてデモに参加しました。東京の国会議事堂デモにも、大阪から夜行バスで行きました。私を含めて、大半の人達が、大学を卒業すると、憑き物が落ちたように、企業戦士に変身していく様は滑稽そのものでした。久しぶりに胸の疼く短歌に接しました。

2012/05/01 (Tue) 17:00 | EDIT | REPLY |   

みかみ  

Re: 全共闘世代

なりひさらんのコメントから、当時の熱意と時代の変容をひしひしと感じました。
岸上大作の全身全霊をかけてぶつかってくる歌の背景を垣間見た気がします。
一方、「憑き物が落ちたように、企業戦士に変身して」いったその後の世代が、諦めだとか無関心というキーワードでくくられるのも、こういう歌を目の前にすると納得してしまいます。

2012/05/02 (Wed) 10:00 | REPLY |   

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