握り飯をジンジャーエールで流し込む…(斉藤真伸)

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みかみ凜
握り飯をジンジャーエールで流し込むわが飲食を犬が見みていた 
斉藤真伸/『クラウン伍長』H25 

ジンジャーエールが生姜の飲み物だと知ったのは大人になってからだった。
それまでは"ジンジャー”を気にも留めず、ジンジャーエールとは単に炭酸飲料の一種だと思っていたのだ。
ふと、そんなことを思い出した。

そう考えると、ジンジャーエールほど嘘っぽい飲み物はない。
イメージが、本来のものから乖離しているのだ。

そして、掲出歌。
え?ジンジャーエールとおにぎりって合うの??
…なんて思う人はもうあまりいないかもしれない。
だって普通にコンビニで買ってもおかしくない組み合わせだから。
だけど、いざこう言葉にされると、何か落ち着かない。

本能のまま、食べたいものは食べたい…そんな犬と向き合う「私」は、対照的な存在だ。
握り飯とジンジャーエールを一緒に食べると美味しい…わけではなく、
ただ、がつがつと義務のように食べる光景。

現代的と言えば現代的だけど、でも、人がものを食べるって一体どういう事だろう?
そんなことがふと頭をよぎる。

だけどその疑問すら、あっという間にジンジャーエールで流されてしまう。
仕事もあるし、義務もある。とにかく忙しい。
いつの間にかそんな原点すら消えているのだ。
そう考えると、ジンジャーエールってなかなか現代的な飲み物だ。

そして、作者にはもうひとつ、ジンジャーエールの歌がある。

 借り物の言葉ばっかり口腔にジンジャーエールを含ませてやる

ニセモノは案外心地がよくって安心してしまうものだ。


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みかみ凜
Posted byみかみ凜

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