うたよむブログ

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片恋よ 春の愁いの一日を・・・(服部真里子)

片恋よ 春の愁いの一日をティッシュペーパーほぐして過ごす
服部真里子/『行け広野へと』H26

無自覚の情念というものがあるとすれば、それは掲出歌みたいなものかもしれない。
狂おしさや激しさが表出しない、自分で気づくことができない情念。

手持ち無沙汰な一日。
だらだらと何とはなしにティッシュペーパーをほぐしたりする。
何かをやりたいわけじゃない。
だからこそ、心に引っかかっている片恋ばかりが気になってくるのだろう。

「片恋よ」という恋そのものへの呼びかけで、手持無沙汰な心の中に片恋のあれこれが目一杯に広がってくる。
恋のはじまりから今までのすべての日々。それをひとつずつ丁寧にひらいてみたりする。

一方でその瞬間も「君」は恋人と充実した時間を過ごしているのかもしれない。
2枚で1組となるティッシュペーパーをほぐすという行為は、無意識にその関係をほぐしてしまいたいという暗示でもあるだろう。

もちろん春ののどかな一日である。その愁いは、花びらが舞うように、ティッシュペーパーが風に翻るように、軽くやわらかい。
けれど、自覚はなくてもそこには確かに行き場のない情念があるのである。


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