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お手紙ごつこ流行(はや)りて毎日お手紙を・・・(米川千嘉子) @現代短歌の鑑賞101

お手紙ごつこ流行(はや)りて毎日お手紙を持ち帰りくる おまへが手紙なのに  
米川千嘉子/『たましひに着る服なくて』H10

幼稚園くらいの女の子だろうか。
お手紙ごっこが流行っているので、お母さんに毎日お手紙を書いてくる。
「おかあさんおげんきですか。わたしはげんきです。」
そんな言葉からはじまる、一日の出来事をつづったお手紙だろうか。

娘は一生懸命一日のことをお手紙で伝えようとする。
お母さんも「ありがとう」とそれに応えるのだろう。
しかし、子供目線で応えつつ、目は子供の表情や様子を見つめている。

四句目までは子供に視点を定め、やわらかく詠んでいる。
しかし結句では一転、親視点のつぶやくようなもの言いになる。

娘はお手紙を通して母親に何かを発信する。
母親は娘を見つめることで何かを受信しようとする。
この親だけが気づく微妙なズレ。
それは微笑ましいズレではあるけれど、奇妙なのだ。
親子のコミュニケーションは、大人同士がわかりあっている関係とはちょっと違う。
ズレながら、わかりあう。
親と子の絆の不可思議さ。
そんな不思議な魅力に溢れる一首である。


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