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カフカ読みながらとほくへ行くやうな・・・(紀野恵) @現代短歌の鑑賞101

カフカ読みながらとほくへ行くやうな惚れあつてゐるやうな冬汽車
紀野恵/『奇妙な手紙を書く人への箴言集』H3

このカフカはきっと『城』だと思う。
先が雪で白く閉ざされたところを列車が走ってゆく情景は、城に招かれながらたどり着くことはできない主人公Kのイメージと合致する。
見えるのに、はるかに遠く、霧にまかれて、つかみどころがない。そんな存在への希求。

しかし、汽車にはたどり着く場所がある。
そこが「惚れあってゐる」ことに似ているのかもしれない。
とらえどころのない部分と少しの不条理。そんな問いを抱えつつも、着地点があるのだ。

カフカの不条理さを引き出しつつも、惹かれあっている人同士のように、到着すべき場所があること。
冬汽車の走る情景から、そんな喩を引き出してゆく作者の感性には感嘆するばかりである。



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