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家じゅうのもののあり処は妻病めば・・・(小高賢) @現代短歌の鑑賞101

家じゅうのもののあり処は妻病めばいっさい謎のごとく暗みぬ
小高賢/『太郎坂』H5

これはもう、そうでしょう!と言いたい女性も多いかもしれない。
一方で、そんなことはないなぁ、という人もいるだろう。

特に今は共働きも、家事分担も一般的だ。
家のどこに何があるか、妻も夫もある程度はわかっている。

掲出歌には、なんとなく家父長制を思わせる雰囲気がある。
この歌をおもしろいと思ったのは、「現代短歌の鑑賞101」でひとつ前に次の歌が載っていたからである。

暴力は家族の骨子――子を打ちて妻を怒鳴りて日々を統べいる

これが来た後に、妻が病気になってしまい、家のことがチンプンカンプンで慌てふためく掲出歌が出てくる(歌集自体は別であるけれど)。
ちょっと笑ってしまった。

これは作者の意図だろう。
作者が暴力で日々統べているとは思えない。
家父長制をひく父親はおそらく、「暴力」が骨子ではなく、「何か伝えたいこと」が骨子で、それを伝える手段が思いあまってそうなってしまったのだろう。

作者はそんな時代に思いを馳せる。
威厳がある一方で、「しょうがないなぁ」的な面もあった当時の父親像を、その空気のまま映し出したのだろう。

現代、同じ行動を行っても、同じ空気を醸し出すことはできないだろう。
遠い時代の、遠い空気。
それを再現できるのも、短歌の魅力の一つなのかもしれない。


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