うたよむブログ

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やや重いピアスして逢う(外される)・・・(野口あや子)

やや重いピアスして逢う(外される)ずっと遠くで澄んでいく水  
野口あや子/『くびすじの欠片』

野口あや子さんの『くびすじの欠片』より。

興味深い世界観だ。
この歌、「やや重いピアスして」の部分がなければ、つまらない世界になってしまう。
この「やや重いピアス」とは何だろう。

ピアスをつけた矢先に、すぐ外される予感が頭をよぎる。
「逢う(外される)」と一句の中に詰め込まれることで、服も、その他着飾っていたものも、すべてが剥がされる性的なイメージがよぎる。
ピアスは装飾全体の喩ともとれるだろう。
そして、そんなピアスは「やや重い」。
恋人に向かう自分は、ありのままの自分ではなく、少し過度の飾り立てがあるのかもしれない。

そんな二人を取り巻く濃密な空間と比例して、現実のもろもろは遠く遠く透明になってゆく。
そんなかすかな喪失感に似た感覚で、性愛の世界に入っていく歌と読んだ。

そして、装飾が装飾の外される世界への近道になる。
性愛の中に含まれるその矛盾が、この歌のひとつの若々しいテーマのようにも感じる。


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