うたよむブログ

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樹枝状のブロッコリーを囓るとき・・・(杉崎恒夫)

樹枝状のブロッコリーを囓るときぼくは気弱な恐竜である  
杉崎恒夫/『パン屋のパンセ』H22

杉崎恒夫さんの『パン屋のパンセ』より。

ブロッコリーを齧ることをこう表現されると、感覚が一気にジュラ紀まで飛んでしまう。
1億年以上も前の話だ。
木が生い茂るスケールの大きな大地。
恐竜は当時、地上で最も強くて怖い存在である。
我が物顔で大地を闊歩していそうなものである。
しかし、この恐竜は気弱なのである。

草食の恐竜。
高い位置の枝をカプリと齧る気弱な恐竜。
この恐竜を「僕」だという。
時空を越えた、スケールの大きな歌にも関わらず、親近感を持ってしまう。

そして何よりも驚くのは、この歌は杉崎さんが70-80歳代の頃に歌ったものだということだ。
歌集にはこんな時間軸や空間軸が広い、みずみずしい歌が並ぶ。

晴天にま昼の星がひそんでるピースの箱のうらはぎんいろ

歌集を読み進めていくと、上の歌が、「ピースの箱」の喩に「晴天」を使っているのではないのがわかる。
「晴天」を表現する喩として「ピースの箱」を使っているのだ。

ひとつの事象を、スケールの大きい方へ拡散させるのではなく、スケールの大きいものを自分の方へ引き寄せる。
そういう魅力が杉崎さんの歌にはあると思う。


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