うたよむブログ

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二本立て映画に二回斬られたる・・・(藤島秀憲)

二本立て映画に二回斬られたる浪人は二度「おのれ」と言えり  
藤島秀憲/『二丁目通信』H21

藤島秀憲さんの『二丁目通信』より。

短歌の難しさが垣間見える一首である。
何が難しいか?
それは、解説がだ。

歌自体はとってもユーモラスで、不条理な可笑しさが魅力だ。
だけどこの歌、解説がうまくできない。
きっと短歌だから魅力があるのだ。
単純に文章で同じことが書かれていても、これほどには惹かれないだろう。

何が違うのか?音のリズムなのか?何なのか。
私たちが短歌を観賞するとなったら持ち出す感覚というものがあるのかもしれない。
同じことを伝えても、三十一文字でしか伝わらない何かがある。
この歌にはそういうものがあるように思う。
そんなことを考えた一首だった。

またこの歌、歌集全体の中で見ると、ちょっと違った見方ができておもしろい。

現実じゃない世界で浪人が「おのれ」と言う緊迫感と、同じ人が現実では映画に二回出演している事実。
どちらが本当か?「おのれ」の差し迫った感じが強くて、現実の役者さん本人は陰に隠れてしまうけれど、二つの世界の二つの顔は、同一人物なのだ。
あれ?それって、三丁目に住む藤島さんの『二丁目通信』そのものじゃないの?とふと思ったり。

すんなり読めて、共感も多い歌集だけれど、ふと立ち止まって少し離れてみると、いろいろな発見がある歌集だったのだ。


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