うたよむブログ

ARTICLE PAGE

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あたためしミルクがあましいづくにか・・・(大西民子) @現代短歌の鑑賞101

あたためしミルクがあましいづくにか最後の朝餉食(は)む人もゐむ  
大西民子/『花溢れゐき』S46

温めたミルクに甘さを感じる、とても穏やかな朝食時。
その時ふと、今日が最後の朝食となる人がいるだろうことを思う。

私が掲出歌を読んだとき思い浮かべた最後の朝餉とは、死の直前に訪れる穏やかな時間を伴うものだった。
掲出歌からは怖れも悲しみも感じられない。
それと同じように、世界もいつもと変わらぬ顔をしながら、そっと誰かの終わりを断じているのだろう。

かなしい歌ではない。
しかし下句までいくと、うまく言えない感覚に包まれるのだ。

個人的な感覚の上句から、ぐっと視点が広がり、下句では世界のありようを見ることになる。
歌の中の私は、そのありようを悲しみを通りこしそのまま受け入れているのだ。
そこが、悲しさはない掲出歌にかなしさに似た感覚を覚える理由なのだろう。


にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーサイト

- 0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。