うたよむブログ

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岡部桂一郎全歌集を読むことで

3月11日。
私は『岡部桂一郎全集1956-2007』を持って被災した。
図書館で借りた帰りだった。
震度6強の地震。慌てて車外へ出て、近くの手すりにつかまった。地面が足を弾く。悲鳴を上げたような気もする。…

揺れがおさまってからの静かさが今は一番印象に残っている。
ガラスなどが散らばっている中、皆そそくさと家路に急ぐ。
救急車の音も消防車の音もほとんど聞こえない。
揺れはすごかったけど、もしかしてそれほど大きな災害はなかったのかもと思えるほど、静かだった。

しかし徐々に惨状が明るみになってくる。
夜の火災を伝えるラジオで、翌朝の新聞で、そして4日後、電気が通った後のテレビが決定的だった。

震災はすぐにはやってこない。徐々に蝕んでくるものだと思った。


しばらくは歌集は目を通す気にはなれなかったし、気を紛らわせようと開いても、目の上を滑るような感じだった。
だけど、1冊だけ歌集が鞄に入っているということは、なんとなく私に安心感を与えてくれた。

3月下旬くらいから、少しずつ読めるようになってきた。
電気の通った部屋で夜に数十分間、ページをめくることが、キリキリしていた気持ちを和らげてくれていたと思う。

「借りたのが岡部桂一郎でよかったですね」と知り合いの方に言われた。
本当にそうだったと思う。
 

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